『大奥』8巻
やっと、よしながふみ『大奥』8巻を読んだ。
かねがね「よしながふみに外れなし」と思っていたけど、4年経った今見ても、ほんとに外れがない。すごい。
もともと、吉宗の時代から話が始まり、7巻の後半で最初に戻ったのだが、吉宗・久通など主なキャストが退場し、次に進む巻といえる。
それだけに、いろいろと感慨深いのだが。
特に、杉下!
杉下とはこの人です。
1巻で出てきたときは大奥の下っ端でねえ、でも好きだったんだよねえ。最後は大奥総取締と大奥のトップになり、吉宗のはからいで吉宗の娘達から父上と呼ばれるようになり、穏やかな晩年で本当によかった。
実は「大奥」の最大のみどころは「老い」がきっちりと描かれているところだと思う。杉下もそうだし、吉宗もしかり。若いころの颯爽とした吉宗も最晩年を迎えるのである。第1巻の終わりにある意味華々しく登場した村瀬正資は、 時系列では第2巻で地味に登場するんだよね。それが節目節目で出てきて、7巻で、これまたある意味華々しく退場する。
久通もねえ、出てきたときから只者ではないと思ったが。
人間、どうあっても年をとるんだなあ(しみじみ)。
フェミニストを公言するよしながさん、女の描きっぷりは本当にさすがであると思う。
そして、「大奥」は、「大奥」が男の園だけあって、いい男もたくさん出てくる。実は一番いい男だと思うのは江島。
こんな人ですけど。
背中まで毛が生えているけど別にいい。史実があるので仕方がないんだけど、江島にも幸せになってほしかったなあ。
たしか、よしながさんがインタビューで「慶喜までやる」と言っていらしたと思うので、最後に話にオチがつくと思うのだが、どうなるのか刮目して待ちたいと思う。
完結の暁には日本SF大賞ぐらいあげてほしい。ティプトリー賞も受賞しているんだから。
10月12日からテレビドラマになるらしいのだが、家光と有功の話だということで、有功は堺雅人。うーむ。堺雅人といえば「篤姫」の家定さまで、思えばあの役で堺雅人を見初めたのだが、うまいことは折り紙付きで心配はしていないのだが、有功は絶世の美男という設定なので、どうなるんだろう。
映画版では杉下を阿部サダヲちゃんがやっていたのだが。いや、サダヲちゃんは好きだが、杉下とは雰囲気が全然違う。映画版の主役は吉宗役におおいに不満があるので見ていないのだが(できるとすれば糸子ちゃんこと尾野真千子ぐらいか)。とりあえず、ドラマは見てみることにする。
…と思ったら、また映画版が作られて、堺雅人が右衛門佐役で、綱吉が菅野美穂なのか。うーむ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
きれいな女優さんはたくさんいますけどね
メークすれば原作のイメージに近づけれることも。
少女マンガのキャラクターは特に男性は
こんなの現実にはいねえよと言いたくなるほどの、美形が多いですから。
実写ではイメージほど遠くなるのは無理ないです。
投稿: ミント | 2012.10.27 13:26
お返事が遅くなり失礼しました。コメントありがとうございます。
上の記事の文は「絶世の美男俳優を主演にしろ」という主旨で書いたものではありません。そのような俳優はいるだろうかという含みはありましたが、書かれているように、そんな方いませんものね。堺雅人は好きな俳優ですし好演していると思います。
ご不快になったのでしたら、申し訳ありませんでした。
投稿: きたきつね | 2012.10.31 21:47