カテゴリー「香港:2012年3月」の17件の記事

「マクダルのカンフーようちえん」

 札幌公開、なんとか間に合って見に行けた。

 日本版予告編。
 吹き替え公開で、吹き替えは思ったより悪くなかったんだけど、やっぱり秋生さんの声が聞きたいので、帰ってから香港版DVDをかけている。
 冒頭は、花田春春中華博物館風味。中国の遺跡から、いろいろとわからないものが発掘されている。実は、マクダルの18代前のご先祖は「麥子」といい(「老子」「孟子」の「〜子」なんだろうなあ)思想家であり発明家であって、ATMだのクレジットカードだのスーパーマーケットだの、いろいろなものを発明していたのであった。

 これの1分50秒すぎに右側に出てくる船に乗っているのが実はその発明品で、ある意味この映画の主人公。この動画は前にも貼ったのだが、A21のバスではなかったけどルートはA21だな。ちなみに、歌っているのは秋生さんであった。
 このシリーズは音楽もいいのよね。
 素直すぎるマクダルを心配したお母さんは、思うところあってマクダルを武漢からさらに山奥に入ったところにある太極拳の道場に預ける。師匠は、まあ園長先生なんだけど、理由があって子供を集めて太極拳を教えているのであった。メンバーは基本的に花田春春幼稚園。国際幼稚園カンフー大会が開かれることになり(幼なじみの牛のMayちゃんはユエン・ウーピンワイヤーアクションクラブ子供斑として出場)マクダルたちも出場することになるのだが…という話。しかし、「マクダルが優勝!」とかいう華々しい話ではなく、むしろ正反対。
 師匠の過去とか、お母さんの気持ちとか、麥子の発明品とか、その結果起こることとか、いろいろなことが合わさって泣けるのであった。変化は一瞬にして起こるものではなく、時間は長く続くもので1000年に1回鐘が鳴り10万年に1回時計から鶏が出たりするぐらいのものなんだなあ。悟ったから急に強くなるわけでもない。そして、素直さはとても尊いものなのだ。
 中国が舞台になっているのだが、要所要所に出てくる香港にも目頭が熱くなります。大角咀が出てくると正座してしまう。「重建局」の看板がリアルだったら。最後がああなったということは、ある意味重建局に勝ったんだなあ。チャイランさんも写真に写っていたしなあ。

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 九龍公園のプールも出てきました。

 師匠はブルース・リーと対決したことがあるすごい人で対決シーンも出てくるのだが、出てくる本の著者名が「P.Lee」となっていて「?」と思い、中国語字幕を見たら「李小龍」じゃなくて「李小麟」だった。
 あと、パンダさんが出てくるのだが、「カンフーパンダ」なんか目じゃありません。香港版の声を聞くと正体はすぐわかってしまうのだけれど。
 途中、「清明上河図」も出てくる。というか、マクダルバージョンはこの映画の一部だったのか。
 「パイナップルパン王子」もそうだったのだが、マクダルのママの人生が実は毎度けっこう重いのであった。いろいろ手広くやっていて建物1階の不動産屋はもしかしてママの経営かとも思うのだが、ほんとにいろいろと頑張っているのだなあ。そして「しゃがんで立ち上がると目が回る」は他人事ではないのであった。

 たしか、「パイナップルパン王子」では、マクダルはチェリスト一種の音楽家になっていたのだが、今回は違っていた。動画を探している途上で見つけた大人になったマクダルの別バージョン(「マクダルとマクマグ」版。今、カートゥーンネットワークでやってるのね)も見つけたのだが、これがまた違う(そして、別の意味で泣ける)。
 制作にSEGAが入っていてプロデュースに日本人が入っているので、日本でソフト化されると踏んでいるのだが、ぜひ日本語字幕版も入れて欲しい。ついでに書くと、実は、香港版はエンドロールが違っていてメイキング実写(秋生さんのレコーディングシーンが入っていたり)なので、できれば、2バージョン入れてくださると、とても嬉しい。

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上海美華菜館

 日食と言えば「意外(アクシデント)」に出てきたっけ。

 そのつながりで、下書きしてあった記事をもう一つ。
 「意外」が「街もの」映画であることは何回か書いているのだが、特に嬉しかったことのひとつは、リッチー・レンが住んでいたアパートが「心のご近所」土瓜湾は馬頭圍道美善同里にあったことである(封筒に書いてあった)。

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 美善同里とはここである。

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 風情があって大好きな界隈。

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 美善同里に行ったのは、ここに行くためであった。

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 お店の中。
 質実剛健で好き好き。
 openriceの記事を見ると、小籠包とか鍋貼とか酸辣湯とか上海料理で有名らしいのだが、目当ては朝ごはん。

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 熱甜豆漿(甘い豆乳)5ドルと粢飯(しーふぁん。もち米に油条と肉そぼろをぎゅうっと巻いたもの)12ドル。
 粢飯は、今回の香港で初めて食べて好きになった。ばりばりした油条の食感と肉そぼろの甘じょっぱさともっちりした糯米のコンビネーションがたまりません。
 豆漿はねー、ほんとは、しょっぱい鹹豆漿にしたかったのだが(葱などが入っていてスープ的)、なぜ間違ってきたのかをつらつら考えてみると、「しぇんとうじゃん」と北京語風に発音していたのだった。「しょっぱい」の「鹹」は「はむゆい」の「はむ」じゃないか、しまった!
 今度は、ぜひとも鹹豆漿にしたい。でも、openriceの記事を読むと、油豆腐粉絲湯(8ドル)も食べてみたい。小籠包28ドルや鍋貼4つで14ドルも捨てがたいなあ。
 また行こう。

 「意外」のリッチーのアパートは、設定だと馬頭圍道沿いかなあ。室内は違うところだと思うけど、このあたりは住むにはよさげなので、室内がああでご近所がこんなだなんて、リッチー(というか美術さん監督もしくはプロデューサー…ってトー先生ですが)はセンスがいいなあ。

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九龍城街市で鍋を買う

 この3月の香港行で最も大きな買い物は鍋であった。

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 ここで買いました。
 九龍城街市2階の家庭用品市場。一度買い物してみたかったんだよねえ。今回初めて分かったのであるが、ご夫婦でやっている店であった。

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 おばちゃんが新聞紙でくるんで袋を二重にしてくれた。
 スーツケースににも入らないので、このまま手に提げて機内に持ち込んで持って帰ってきた。
 羽田の税関で聞かれました。
  「これ何ですか?」
 そりゃ聞くわな。
  「鍋です!」
 毅然とお答え申し上げました。
  「鍋!?」
  「はい、磁器の、スープとか煮るやつです」
  「いくらぐらいのものですか」
  「1500円ぐらいですかねえ」
 中を見ますか?と半分袋を開けたのだが、「いえ、いいです」と断られました。関心があったのは値段だけだったらしい。鍋に毒気を抜かれたか、スーツケースも開けられず。まあ、珍しいだろうねえ。でも、中に何かいけないものが入っていたらどうするんだろ(入ってないけど)。

 袋は、うちに帰って開けました。

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 特主選挙の新聞紙にくるまってた。

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 鍋その1。38ドル。

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 鍋その2。135ドル。申告額はちょっと安かった。

 鍋その1は小鍋だてとか、卓上1人鍋とか、煮込みものを入れる、等してみたかったのだが、平日は夕食を家で食べないことが多いので、あまり使用頻度は高くない。でも、色がとても好きなので満足。
 一方、鍋その2は毎日使っている。なぜなら、野菜のいっぱい入ったスープを煮ておいて毎朝食べるから。こんろに乗せてみると店で見たより大きくて、鶏1羽がゆうゆう入るほどの大きさがある。スープ用ならこの一つ下の100ドルのでもよかったかも。重かったし。しかし、大は小を兼ねるし、いざとなれば肉の塊でも鶏まるごとでもどんとこいなので、やはり、よい買い物であった。

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熱狗巴士

 相変わらず繁忙期が続いているのだが、慰めは続々とやってくる香港映画のソフト(やっぱり発売点数すごいと思う)。今週は「意外(アクシデント)」の日本版ブルーレイがやってきた。いやー、やっぱり「街もの」として最高だわ。
 見直して初めて気がついたのは、出てくるバスが、ことごとくと言っていいほど「熱狗巴士」だったことです。
 「熱狗巴士」とは何か。

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 これです。
 おそらく、色がホットドッグを連想させるので「ホットドッグ」すなわち「熱狗」と呼ばれているのだと思う。
(【追記】りえさんに教えていただいたのですが(コメント欄参照)「熱狗」というのは、冷房が入っていなくて車内が暑いためについた名前なんだそうです。なるほど、こちらの動画などを見ると、色の違う「熱狗巴士」もあるし由来も説明されていますね。屋根の赤いのはケチャップ!と無条件に思ってしまったのは食い意地のせいであった)
 土瓜湾あたりに泊まっていると下駄のようにバスを使うのだが、そのバスの中のテレビ(最近よくついてるよね)で「熱狗巴士が3月末でさよならで模型を売っているから買ってね♪」というような宣伝をしていた。
 熱狗巴士は冷房がついていなくて窓が開いて椅子も固めのベンチタイプという昔ながらのバスなのだが、そういうバスが引退して冷房バスにとってかわられるということなのだと思う。

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 5Aとか1Aとか、いくつかの限られた路線で運行していたとのこと。よく見ると、このバスの側面には
「愛 熱狗 巴士迷世界」と書かれている。

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 3月27日には、まだ九巴の基地(A22の路線の脇にある)にたくさん止まっていた。

 ためしに「熱狗巴士」で検索してみたところ、けっこうな数の動画がヒットしました。
 巴士迷(バスマニア)は多いと見た。 

 その1本。

 「意外」で熱狗巴士ばかり出てきたのは、ぜったい偶然じゃなくて、わざとやってるんだろうなあ。

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A22のバス(その2)

 A22は、香港國際機場から藍田に向かうバス路線の名前で、九龍城や土瓜湾に泊まるのは、この路線に乗るためといってもいいぐらい好き。
 こちらにも書いたのだが、何が好きかというと、
 九龍駅の手前まで高速に乗るので早く市内に入れ、心のご近所でもある佐敦界隈を通ること、高速脇の貨物港の夜景がきれいなことにくわえ、

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 なんといっても、香港島が一望できることです。

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 高速脇の九巴の基地(たぶん)もチェックポイント。

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 香港島はA21に比べて随分長く見えていて、帰るときは、いつも左側に座って香港にお別れを言う。着くときは大抵夜なので、やっぱり香港島が見える側に座って夜景が見えると心の中で快哉をさけぶ。夜は左側に座った方が、コンテナ積み卸し場所の夜景がきれいなんだけれども。

 昨日、ツイッターで教えていただいたコレを見て、A22のことを思い出したのだった。たぶんこちらはA21だと思う。

 昨日今日は月が地球に接近して満月が大きく見えるらしいのだが、札幌はずっとお天気が悪くて残念である。桜も散りかかってるし。

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九龍街市の猫 2012年3月

 土瓜湾に泊まると九龍城にちょくちょく行ける。2か2Aの緑のミニバスで行く。九龍街市には必ず行くのであった。
 九龍街市の2階には猫がいる。こちらの写真の1枚目。最初は半分子猫で、昨年末会ったときには子供がいる風情だった。
 今年はいるかな。

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 いたーっ!

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 ほかにも2匹いたー!!
 というか、あんたがたは、あの猫の子供じゃないの?

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 ベンチで寝ているお姉さんのサンダルで遊んでいるところ。やりたいことをしているらしい。

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 いたいところにいます。自由です。人が来ても逃げないし。触られるのは好きそうではないけど。

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 警備員のおっちゃんには可愛がられているようで、よかったよかった。元気で暮らすんだよ。
 で、あんたがたのお母さんはどうしたの?

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「心のご近所」土瓜湾 2012年3月

 今回の香港の「心のご近所」は土瓜湾であった(前回の「心のご近所:土瓜湾」はこちら)。

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 普通の人々が住んでいる普通の街です。
 暮らすためのお店が揃っている。

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 ここの茶餐廳は朝早くから夜遅くまで開いていて(24時間だったかも)夜はタクシーの運ちゃんでぎっしりだった。

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 翠華餐廳もある。
 朝、蛋撻を買うのは、ここが手っ取り早い。

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 北帝街のここには毎朝通った。
 右側の段ボールにはオレンジがぎっしり。左手の籠にはオレンジを搾った皮がぎっしり。おっちゃんが毎朝搾って瓶に詰めて売っている。お客さんひっきりなし。

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 搾りたて100%オレンジジュース。小が13ドル、大が24ドル。掛け値なしに毎朝買いに行き、最初は小だったのが大になり、ついには店のおっちゃんに話しかけられるようになった。店のお客のおっちゃんいわく「甘いよー」とのこと。これを飲むと1日のビタミンCが足りるような気がする。
 ちなみに、この写真は旺角行きの赤いミニバス(本数がいっぱいあって便利)の中である。

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土瓜湾の紅茶館に泊まる

 今週はちょっと記事を書きためてみた。

 今回の香港では土瓜湾の紅茶館に泊まった(くわしい情報はこのあたり)。九龍城・土瓜湾界隈には、リーガル・オリエンタル・ホテル(東方富豪酒店)ハーバープラザ8ディグリーズ(8度海逸酒店)とホテルが3つあって、これで全部制覇したことになる。
 場所は、8ディグリーズより九龍城寄り。A22のバス停だと新山道か亜皆老街球場の間ぐらい。どちらにしてもあまり遠くない。帰りは木廠街の停留所がとても近い。料金は3つのホテルの中で最安。そして唯一ネットが無料(ただしwifiは1階でしか使えない。新しい紅茶館は部屋でwifiが使えるもよう)。
 最初泊まろうと思っていた東方富豪酒店がまさかの満室で、ここにしたのだった。紅茶館は大角咀などマニアックな場所にあることが多いので、どんな感じか知りたかったし。

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 部屋はきれい。

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 かなり狭いけど、だいたい必要なものは揃っている。冷蔵庫はあるけど、スーツケースも広げられる。ポットもマグカップもある。無料の水も2本ある。ただし、セイフティ・ボックスはない。テレビは地上波の4チャンネルのみ。

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 シャワーはハンドシャワーで、トイレとは別れている。お湯を使う前に湯沸かしのスイッチを入れる必要はあるけど、すぐ沸くし。
 香港ナビの写真とほとんど同じになってしまったのだが、実は、これ以外に写真の撮りようがないのであった。

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 窓の外は啓徳ビュー。眼下に広がるのは「玻璃の城」に出てきた飛行機の教習所。まだやってるんだろうか?この写真では、柵の内側で人々が運動(棒術みたいだった)している。
 窓からの眺めはよく、朝日も見えるし団地の灯りも見える。

 ただし、

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 壁がしっくいで、ドアは合板。
 誰かのアパートを又借りしたという感じがぴったり。
 それはいいんだけど、フロントが小さくて、夜は英語のわからない警備員の兄ちゃんしかいないのね(いい人なんだけども)。でもって、ある晩帰ってくると、その兄ちゃんが「エレベーターが止まっている」という。「直るのに1時間」を「ワンオクロック」と言われて、しばらくわからなかった。で、1時間、近所をぷらぷらして帰ってくると兄ちゃんが外で待っていて「まだ駄目だから階段で行って」と言われたのだが、部屋は香港でいう7階(日本風では8階)で、ためしに1階上ってからエレベーターを見ると動いていて、無事使えたのであった。
 うーむ。
 さらに、その夜、

  深夜3時に非常ベルが鳴った。

 あの兄ちゃん一人じゃ対応は無理そうなので、とりあえず着替えて様子をうかがい、アナウンスは一切ないけど、においもせず大丈夫そうで、しばらく待つとベルも赤ランプも消えたので、翌日は5時起きで出立で荷造りもしてあったので服を着たまま少し寝たんだけど。
 土瓜湾に泊まるなら8ディグリーズの方がいいかなあ。

 天后のハーバーグランドが火事になったというニュース(三級大火だったらしい)を知り、けっこうな火事だったけど死者重傷者はなく軽傷者が若干というのを読んで、やっぱり安全は大事だわと思ったのだった。

【追記】
 そういえば、このホテル、いきなりカードキーが使えなくなり、ハウスキーパー(たぶん)の大姐の骨折りの結果ドアのカードリーダーの電池切れであることがわかり、隣の部屋で工事をしていたおっちゃんに見守られながら電池交換をしてもらった、ということを思い出した。その後、おっちゃんとは挨拶を交わすようになった。いろいろ面白かったな。

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「桃姐」

 1週間のご無沙汰でした。
 大繁忙期中。2日続けて夜中に帰って来た(でも昨晩はスペーシャトルのディスカバリーがジャンボに乗っかってワシントンに行く中継を見て泣いてしまった)ので、今日は早帰り。
 この間の週末は香港金像奨だったのに、思い出したのは火曜になってからだったし。
 しかし、「桃姐」である。
 すでに報じられているとおり、最佳電影(最優秀映画賞)、最佳導演(最優秀監督賞)、最佳導演(最優秀脚本賞)、最佳男主角(最優秀主演男優賞)、最佳女主角(最優秀主演女優賞)を総なめである。
 実は、今回香港に行った大きな目的の一つは、これを見ることだった。

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 見ました。

 前にも張りましたが、予告編。
 この映画のプロデューサーの実話らしいのだが、映画プロデューサーのロジャー(演じるは劉徳華)のおうちに13歳から60年以上いる桃姐(演じるはディニー・イップ)が年老いてからの話。
 老いを悟った桃姐は、自ら望んで老人ホームに入る。その桃姐を不慣れながらもロジャーが支える(たしか他の家族は移民してしまって香港にはいなかったような気がする)。
 ものすごく淡々と病を得て老いて死んでいくことを描いている。特に事件が起こるわけではない。誰の身にも起こること。アン・ホイ監督はそれを丁寧に丁寧に描くことで人々の心を鷲掴みにしたのだと思う。
 老人ホームにはいろいろな人々がいる。年老いた人、若いけど病気で家にいられない人、身近な人から寸借詐欺(詐欺ではないのか?)をしまくって女を買いに行く秦沛さん(でも、いい役だった。最優秀助演男優賞を逃して残念)。
 病気になって、少し元気になって、他の人と親しくなって、でも親しくなっても亡くなる人もあり、出て行く人もあり、どうしたって時間が経つと老いていく。人間なら誰にでも起こることである。

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 香港にはたくさん老人ホームがあるのだが(ビルの中にあってラブホテルと同居してたりする)、もちろん中に入ったことはなく、中が見られて面白かった。
 「個室」ってこんなふうになっているのか、とか。
 細かい料金体系があって(それをロジャーが根掘り葉掘り聞く)、外出時の付き添いサービスが「香港人ならいくら」「大陸ならいくら」「外国人(いろいろ種類があったように思う)ならいくら」というふうに決まっていたり。
 あと、ゲストがとっても豪華だった。映画のレセプションに行くシーンがあって、そこはもちろん豪華なのだが、その他にも、おっという人がちょい役で登場している。チャッピーいい役だったね。

 これ、あとでゆっくり見よう。

 そしてブルーレイが出たら買ってもう一度見よう。
 秋には日本公開とのことなので刮目して待ちたいと思う。

 ああ、映画をゆっくり見たいなあ。
 いや、その気になればソフトは売るほどあるのだが、休み方がいまひとつわからなくなっているのと、見始めると歯止めがきかなくなりそうで。

【追記】
 日本で公開されたので、感想をこちらにも書きました。

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「春嬌與志明」

 大繁忙期だが、2日続けて真夜中まで仕事したので、何もかも放って帰って来た。今日は早く寝るぞ。

 今回の香港で1本目に見た映画。
 「志明與春嬌(恋の紫煙)」の続編。…といいつつ、すみません、前日譚、実は見てません。香港版VCDはあるのだが。
 でも、面白かった。ホンコンヤンの皆さんといっしょに、どっかんどっかん笑いました。

 予告編。
 前日譚でつきあうことになった(んですよね?)ミリアム・ヨンとショーン・ユー。が、ショーン・ユーが先輩に誘われて北京で働くことになる。そして、ミリアムも勤めていたところが香港を撤退し、北京で働くことになる。しかしながら、ショーンはすでに大陸の美人キャビンアテンダントさんとつきあっており、ミリアムにもそのような話がなくもなく、しかし、ずるずると腐れ縁(とあえて言ってしまう。二股ものは嫌いなんだ、実は)は続いてしまうのだった。
 ショーン、子供だよ。ご飯はもっときれいに食べなさい。飛行機の中で、キャビンアテンダントさんのお尻を触るのどうのという話を先輩としていた矢先に前方の別人が同じ事をしてしまい、アテンダントさんには証人扱いされて連絡先を聞かれ、会いましょうという話になって、ほいほいとその気で出かけていくし。その時はミリアムと別れてなかったよね(【追記】DVDを見直してみたら一応別れていたっぽい)。北京で偶然ミリアムと再会して、なんでずるずるとそうなるかな。わからんでもないけど、めんどくさいだろう。ミリアムも、そっちの男の方がいいんじゃないの。ああ、いらいらする。
 …と感情移入するのも厄介なので、淡々とコメディとして見ました。イケメンが出てきたときには、場内の皆さまといっしょに「おおおお!」と、どよめいたり。
 ゲスト出演のイーキンとリンダ・ウォンが最高です。最後の、エンドクレジットが終わるまで意地でも客を帰すまいとする努力もすばらしかった。ええ、ほとんど誰も帰らなかったわ、あの香港で。
 別の意味で楽しかったのは、北京の行ったことのある場所が結構出てきたこと。ミリアムが上海に行こうとする時に出てくる北京南駅は「茶餐廳」のある駅。

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 ここ、ここ。

 2人がスワンボートに乗ったり、「うちの息子はどうだ」というおばちゃんが並んでいるのは、頤和園じゃないのかな。

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 それとも后海のあたりかな。
 ちなみに、このとき、向かって左の岸には海パン姿のおっちゃんが相当数おり、この写真手前にも泳ぐおっちゃんの頭が写っている。
 考えてみると、あまり北京のエントリも書かなかったなあ。
 北京とエンドクレジットのためにソフトを買うかもしれん。
【追記】
 DVD買いました。感想はこちらに。

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