カビール・カーン監督「New York(2009)」
2009年に下書きしてあったのを発掘。「Ek Tha Tigaer(タイガー伝説のスパイ)」のカビール・カーン監督で、ヒロインはカトリーナ・カイフです。
映画のデータ(IMDb)はこちら。
ニューヨークが舞台のインド映画。
911の後、南アジア系の人々がどんな目にあったかという、とても重い映画。でも、これに類したことは本当にあったと思う。
主人公のニティン・ムケーシュは、タクシーの運転手をしていたのだが、トランクから身に覚えのない銃と爆弾が発見され、FBIに連行される。
尋問するのは、「うちの」イルファン・カーン。インド系のFBI捜査官である。どうしてイルファンはいつもいつも警察やら軍隊関係者になってしまうのだろう。まあ似合うからなあ。
またも強面。
うう、かっこいい。でも怖い。
尋問されたニティン・ムケーシュは、1999年にニューヨーク市立大学に留学し、そこで、カトリーナ・カイフとジョン・アブラハムに出会ったことなどを語り始める。初めの方は尋問に答える形での回想なのね。ムケーシュ君は、2人と親しくなったものの、カトリーナに惹かれ(また可愛いのよ)、しかし、カトリーナはジョン君が好きで、2003年9月11日にツインタワーが崩れる映像を見ながらそれを悟ったムケーシュ君は、フィラデルフィアに去るのだった。
実は、FBIの狙いはジョン・アブラハム。テロリストであるという証拠があり、イルファンの目的は、ムケーシュ君をジョン・アブラハムとカトリーナの家庭に潜入させることだった。結果的にそれを承諾するムケーシュ君。行ってみると、2人は息子をもうけて幸せに暮らしている。とても辛いムケーシュ君。
しかし、薬の売人を撃ち殺してしまったムケーシュ君に、ジョン君は真実を語る。911の10日後、イスラム系であるということだけで逮捕・拘留・拷問された彼は、その結果、テロリストになっていたのである。
数少ない歌のシーン(よくインド映画について言われる「いきなり踊り出す」というのは、少なくとも最近の映画においては正しくないと思う)。
カトリーナはこの映画で新境地を開いたと言われました。
結局、アメリカがテロリストを作ってるんじゃん。薬の売人の経緯を考えると、ムケーシュ君の銃と爆弾もこれは陰謀に違いないだろうし。映画では、特定の国に対する声高な非難はないのだが、穏便すぎると思うぞ。
ああ、でも「Ek Tha Tigar」でもそうだったけど、カビール・カーン監督の主旨は闘争の終結なんだよな、きっと。
「ニューヨークで一番おいしいブラウン・ブレッド」と「イタリア系の奥さんと結婚して20年だがパスタが大嫌い」というイルファン・カーンの設定は、ツボだった。
ついでにもう1本、何度か名前を出しているのだが、New Yorkつながりで。
「New York, I Love You」。
予告編には一瞬しか出てこないのだが、ミラ・ナイールのパートにイルファン・カーンが出ているのだった。ニューヨークの宝石店の店主で、ナタリー・ポートマンに惚れられる役です。ぐふふ。
IMDbで見たら、やたらに出演者が多くて豪華(オーランド・ブルームとか、ナタリー・ポートマンとか、マギーQとか、アンディ・ガルシアとか、クリスティーナ・リッチとか。スー・チーも出てる)だったので、どうしてだろうと思ったら、12人の監督が5分ずつ撮るオムニバス。日本からは岩井俊二が出ている。
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コメント
きたきつね様
はじめまして。
Dabanggを検索してたらこちらにたどり着きました。
歌と踊りが最高!(^^)!
”Tere Mast Mast Do Nain ”のサルマンがかっこよすぎです。! といってもyoutubeでしか観てませんが、、
5/4に「命あるかぎり」,「タイガー」映画館へ観に行く予定です。 やっぱりインド映画は大きなスクリーンじゃなきゃつまらない!「タイガー」、観るつもりは無かったんですが、きたきつねさんのコメント拝見して俄然観る気になりました。)^o^( 今から楽しみです。!!
chandan.
投稿: chandan. | 2013.04.29 19:06
chandan.さん
はじめまして。ようこそいらっしゃいませ。
「Dabangg」のサルマン、ほんとにかっこいいですね。「日本公開を」の声が複数起こっているようなので、公開されることを心から願っています。
そして「タイガー」、「Dabangg」がお好きなら絶対おすすめです。「Dabangg」はローカルなインドのよさですが、「タイガー」はワールドワイドなよさ、アクションもロマンスもほとばしっています。楽しんでくださいね。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: きたきつね | 2013.04.29 20:55
きたきつね様
早速の返信ありがとうございます。
サルマン。初めて彼の映画を観たのが,かれこれ20数年前。Maine Pyaar Kyun Kiya」年がばれるなあ(汗)
「あの若造がまさかこんなかっこいいおっさんになってるなんて。おやじ好きの私としては大変うれしい。(笑) その当時私が夢中になっていたのはJackie shroff。
もちろん今でも彼は私のナンバルワンですけどね。!
これかれもお邪魔させて頂きますね。こちらこそよろしくおねがい致します。!(^^)!
chandan.
投稿: chandan. | 2013.04.30 21:23
お返事が遅くなりました。
ジャッキー・シュロフ、いいですよねー!
インド映画はおっさんの宝庫。おっさん好きには堪えられません。
実は、可愛かったころのサルマンについては記事を下書きしてあるので、このあとアップしていく予定です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: きたきつね | 2013.05.02 21:13