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「Barfi !」(2012)

 プリヤンカ祭りの一環として「Fashion」を見ようと思ったら、ディスクの不具合で見られず(好きなのに…)。これにする。
 アヌラグ・バス監督は、個人的インド映画ベストワン「A Life in a Metro」を撮った人。「Barfi !」はアカデミー賞外国語映画賞作品としてインドからエントリーされ、フィルムフェア賞で最優秀作品賞を獲りました。主演のランビール・カプールも主演男優賞を獲ったし、プリヤンカ・チョープラーは別の映画賞で主演女優賞を獲った。

 予告編。

 ランビール演じるバルフィとプリヤンカ演じるジルミルとイリアナ(名前を見るとラテン系なのか?)演じるシュルティの愛の物語。バルフィは耳と口が不自由なのだが純粋でいつも明るく生きている。バルフィと知り合ったシュルティは結局は他の男と結婚するのだけれども生涯バルフィを愛する。ジルミルはお金持ちの娘で知的障害がありバルフィと愛し合うようになる。
 障害があることは別にたいしたことではないのであった。ただ、ランビールもプリヤンカもほとんど台詞がないので、物語はシュルティの語りと音楽に乗って進む。カットバックがけっこうあって語りに依存する部分が大きいので、ながらで見るにはちょっときつい。
 たしかにいい話なのよ。ランビール(年がいってお父さんのリシ・カプールに似てきたと思う)とプリヤンカはとてもうまいし、ロケ地になっているダージリンの景色や街並みは綺麗だし。お茶畑も出てくるし(しかしお茶畑に牛はいるのか?)。
 音楽はプリータムでこれも賞を獲っている。
 確かにいい曲なのだが、

 「雨に唄えば」の「Make'em Laugh」と同じシーンが。
 これはまずいだろう。やっぱり(元の映画がとても好き)。
 実は、これ、パクリが多いという評判が立っていて、

 こんな動画が複数。ジャッキーや北野武まで。確かにそのまんまなんだよねえ。テレビ番組でも取り上げられたらしい。
 奥歯にものが挟まったような書き方になっているのは、これはオマージュの域を超えていると思えるからなのであった。好きな監督さんで、映画もよくて、演技も上手くて、絵も綺麗で、何にもなければいい映画なのになあ。音楽などチャップリンは明らかに意識しているようで、他の映画の取り込みは作品作りの一環なのかという気もするのだが、作り込みすぎな感じがある。もうちょっとさらっとオリジナルで作ればよかったのに。これをアカデミー賞にエントリーするということは、考え方の違いがあるということだとは思うんだけども、たしかにいい話ではあるのだけれども、うーむ。オマージュのクレジットがあったか確認してみようか。

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コメント

北野さんまで入ってましたか。

あたしは楽しく見ました。

シュルティの語りも目に入った単語だけ見てる感じで。
途中うたた寝もしつつ・・。
プリヤカが良かったんです。
女の子で作品の印象が変わってきます。

それほどチャップリンも見てないので、ちょっと思い出すなあ、って感じでした。

アカデミー賞については、どうかな。
あたしはもっとインドっぽい作品が好きなので。
ただ、それだけなのですが。

投稿: やっほー | 2013.05.06 22:34

すみません、お返事が遅くなりました。
いやー、これは評価が分かれるところだと思うんですよね。ランビールもプリヤンカも確かによかったし、映画としても悪くないし。
ただ、たけしの映画などカット割りもほとんど一緒だし、特に前半の音楽の使い方がチャップリンの映画のようだし、もっとオリジナルな作品を見たかったなあというのも本当なのでした。
元ネタのほうをよく知っているはずのアカデミー賞の審査委員がどう評価したかはわからないのですけれども。

投稿: きたきつね | 2013.05.08 22:45

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