サルマン・カーン主演こてこて南インド風味「Wanted」(2009)
まだまだ続くインド映画街道。
といっても、平日は通しで見る時間的余裕はないので、夜こま切れに見ている。それも「ながら見」なので、わからなくなって戻したり。でも、インド映画が見たいのよ。紹介するなら、インド映画が盛り上がっている今でしょう。
というわけで、数日かけて見た、「Ek Tha Tiger(タイガー伝説のスパイ)」の(と書けてとっても嬉しい)サルマン・カーン主演「Wanted」。
2009年の映画で、かっこいいサルマンを堪能する路線の嚆矢だと思う。監督は南のダンス名人プラブデーヴァ(Prabhu Deva)で、こってこての南インド風味。ストーリーがどうというより勢いで押している感じ。ムンバイの殺し屋サルマンが、アイーシャ・タキアと恋に落ち、マフィアや悪徳警官と戦うという話。
悪役が、悪徳警官といいマフィアといい、もうこってこての悪役で、それを復讐に燃えるサルマンが粉砕していくというのが受けたんだろうなあ。
しかし、暴力シーンが多くて、特に女性と子供が下に見られてことごとく暴力の対象となるのが見ていて辛い。昨今のインドでの暴力事件の背景ってこんなメンタリティなんだろうなと思ったり。それより何より、うちの国の恥ずべき政治家(慰安婦を容認した上に風俗を使えと行って米軍司令官を凍り付かせたお前だよ大阪市長!)と根っこは同じだと思えるのが最高に不愉快。
ただ、サルマンのお父さんの最期(とてもかっこよくて悲しい)のシーンで明かされる真実については、おお!と思いました。特に香港映画好きはそう思うにちがいない。
南のダンス王プラブデーヴァが監督だけあって、ダンスシーンはすばらしい。
特にコレ。
アイテムボーイが「スラム・ドッグ・ミリオネア」のみのもんたことアニル・カプール!プロデューサーがお兄さんのボニー・カプール(たしかシュリデヴィの夫君)だからかなあ。終盤には北のダンス王ゴヴィンダと監督である南のダンス王プラブデーヴァがそろい踏みし、豪華さに目がくらみそうである。
恒例、恋に落ちて1曲。
ヒロインのアイーシャ・タキアは「Sunday」にも出ていた。たれ目でかわいい系だけどインド人には珍しい感じ…というか、一度そう思ってしまってから、実は、泉ピン子にしか見えなくなってしまったのだった。
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コメント
こんばんわ。
アニル・カプールはみのもんたなんですね。(笑)
ゴヴィンダ!素敵ですよね。
決してハンサムじゃないけど,ダンスが上手すぎて惚れましたなあ。(^_^.)
暴力シーン。私がインド映画を見始めた90年代も、映画館ではインドの皆様,興奮してました。男性も女性も。
当時インド人友人(女性)が「だってスカッとするじゃない!」と言っていたのは結構ショックでした。
だいぶ洗練されてきたとはいえ,現在でも暴力シーンは無くならないし。
投稿: chandan. | 2013.05.14 20:04
いつもコメントありがとうございます。
「みのもんた」は「スラムドッグ・ミリオネア」日本公開の折に、ネットでけっこう使われていた言い回しです(日本版「クイズ・ミリオネア」の司会がみのもんただったため。インドだとシャールクかアミターブなんですが)。
後で記事に書く予定ですが、暴力の描き方が「無自覚」なのが嫌なのだろうと思います。何にせよ無自覚な感情の発露は居心地が悪いものですが。
投稿: きたきつね | 2013.05.16 21:56