『盲探』
忘れそうなので、感想を書いてしまうことにする。
香港に着いた日が公開最終日で、荷物を置くやいなやThe Grand Cinemaに走っていって何とか間に合った。
予告編。
ジョニー・トー監督の「アンディ・ラウ&サミー・チェン」ものである。
「アンディ&サミー」ものって何となくだけど固定化したイメージがあって、基本的にラブストーリーで、ちょっとひねってあって、どちらかといえばシリアスではないという印象。たとえば『痩身男女(ダイエット・ラブ)』とか。
しかし、これは、どちらかといえば『神探(マッド探偵 7人の容疑者)』の続編的な話であった。ラウちんより華仔の方が明るいけど(どちらも「ラウ」だ、そういえば)。犯人のトレースがエスカレートしている。
正直なところ変な映画だと思うのだが、しかし嫌いではない。ワイ・カーファイものでもあるしね。
冒頭、いきなり出てくるのが旺角の硫酸事件ネタ(解決したんだったっけか、あれは)。華仔は類い希な能力を示すのだが、変。刑事であるサミーは華仔のサポートをするよう指示され行動を共にするようになり、恋に落ちていくのだが…という話。
うーん、サミー、その人はやめた方がいいんじゃないかなあ。自身の抱える事件がからんでくることもあって、サミーもどんどんコミットしていくのだが、不憫。華仔は明るいんだけどね。
それでも嫌だと思わないのは、トー先生の恋愛路線映画の登場人物が、総じて何か欠けているものを抱えながら真剣なためではないかと思う。(【追記】こちらで確かめてみました)
香港らしい景色がてんこ盛りなのは、さすがにトー先生で、旺角の次に出てくるのは恵康(Welcome)。香港のスーパーとして百佳とどちらが好きかと言われれば、ぜったい恵康なんだなあ。香港に行けば必ず一度は行くし。日本で香港を懐かしむためにもソフトが出たら買おうと思う。
あと、いくら香港映画だからといってもゲ○(伏せ字になってない)出し過ぎ。華仔は始終なにか食べていて林雪のようだ。でも、どんなに食べても林雪にならないところが、さすが劉徳華である。
本物の林雪が出てきたときには、思わず画面に手を振ってしまった。最近忙しさにかまけて林雪のことを忘れていたわ。ごめんね。
それから、これをどうしても書きたかったのであるが、サミーを見ていて「この顔はどこかでみたことがある…」という気がしてならず。よくよく考えてみると、NHK「あさイチ」の有働由美子アナウンサーであった。そう思ったらもう有働さんにしか見えない。
日本の映画祭でも公開されるとのことなので、是非おためしください。
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コメント
まにあったのですね、よかった。
確かにヘンな映画かもしれません。
『神探』はワイ・カーファイの傑作のひとつで、そのエッセンスを惜しげもなくこうやって娯楽映画に使うとは、ワイ&トーの恋、いや濃い信頼関係を感じさせ、ほとんどびっくりしました。
サミー、不憫ですよね。あと、タンスの彼女も、あれはあれで不憫と思いました。
誰にも理解されずアンディ・オンにも裏切られる神探ラウちんに比べ、アンディは最初からサミーに信頼と愛を棒げられており、ではアンディ自身の欠落はなんだろう?目がみえないこと?友達が郭濤しかいないこと?と思ったり。
おもしろかったし好きだけど、かなりいろいろ極端なところを力技でねじふせ娯楽にしていて、それがワイ&トーの力かなと思ったりします。
投稿: ゆずきり | 2013.08.30 05:26
バスが来るのがもうちょっと遅かったら間に合わないところでした。
間に合ってよかったです。
こちらでも使ったということはワイ・カーファイはこのネタが気に入っていんたんでしょうねえ。
アンディの「欠落」は、目が見えないこともまあそうだとは思うのですが、あの超マイペースぷりは「アンディ&サミーもの」としては新しかった気がします。今までのだと、わりとサミーの方が必死感が強かったような。いや、今回アンディは楽しそうなんですけどね。郭濤は(いろいろあったけど)いい友達だし。
ワイ・カーファイ&トー先生ものはやっぱり好きだなあと思いました。
投稿: きたきつね | 2013.08.30 20:17