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『車手(モーターウェイ)』

 香港でDVDを買い損なった…と思っていたら、wowowで放送され、DVDも発売され、劇場公開もされた(札幌ではされなかったと思う)。
 DVDも買ったけれど(なぜなら、売り上げ実績がないと香港映画のソフトが発売されなくなるという強迫観念があるのと、この手のソフトはあっという間に品切れになり、あとから中古市場で馬鹿高くなってしまうことがあるから)、ブルーレイに録画したのをやっと見た。
 主演:ショーン・ユー(余文樂)と秋生さんことアンソニー・ウォン(黄秋生)、監督:ソイ・チェン、制作:ジョニー・トー先生。日本のテレビに銀河映像のびゅーんというロゴマークが映るのはとても嬉しい。
 ショーンと秋生さんという組み合わせから、最初は『無間道2』を連想したのだが、むしろ近いのは『頭文字D』だった。
 ショーンと秋生さんは東九龍警署の警官。主な任務は交通関連で、覆面パトカーでスピード違反を追跡したりしている。2人は相棒で秋生さんはもうすぐ定年退職。秋生さんはけががもとで思うように運転できないようで、運転するのは専らショーンなのだが若気の至りでいろいろやらかしている。一方、秋生さんと因縁のある大陸の犯罪者が密かに香港に潜入するのだが…というお話。
 スピード違反で捕まえたものの逃げられてしまった車を非番のときに追跡して報復するというのは、警官としてどうなのショーン。というか、どうみても今も昔も走り屋で、秋生さんもか実はかつては凄腕で、結局はショーンを教え導くことになり、このあたりが『頭文字D』風味である。
 白バイの人はバイク乗りが多いという話は聞いたことがあるのだが、元走り屋が交通課勤務というのはよくあることなのだろうか。
 エンジン8000回転・時速2キロでスピンターンして、ものすごく狭い角を曲がるというのが決め技のようなのだが、秋生さんがスターウォーズエピソード4におけるオビワン・ケノービのようであった。
 ともあれ、劇中、車が香港をびゅんびゅん走ります。
 期せずして、これは香港「街もの」映画になっているのであった。
 冒頭出てくるのは、どう見ても觀塘道で、とても嬉しい。日本語字幕にも香港の地名ががんがん登場し、『香港地方街道指南』を広げながら観ることになった。東九龍警署という設定なので、前半の舞台は觀塘とかあのへん。犯人は、油塘の四山道から偉業街(名前が出てきてガッツポーズ)に抜けて逃走。偉業街は茶果嶺道の続きなんだなあ。終盤は、皇后大道、徳輔道、干諾道が舞台。
 こんなふうに撮影していたらしい。

 アクション監督は銭嘉樂。
 ちなみに、ショーンと秋生さんの上司は林家棟、トップはジョシー・ホーで「干諾道の信号を全部青に!」などと指令を出している。
 最後には、若気の至りだったショーンも成長し、バックは香港島を一望できる西九龍公路(たぶん)。成長もので街もので、よい映画である。

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