『香港仔』
香港で1本目に見た映画。5月8日公開だったのだが優先場に行けた。着いたその日にiSQUAREで鑑賞。iSQUAREでは大々的に宣伝中。
エスカレーター正面の巨大ポスター。
予告編。
香港に住む普通の人々の物語。
ン・マンタのおっちゃん(元気で何より)は元アバディーンの漁師で今は拝み屋。ミリアム・ヨンは博物館の説明員。エリック・ツァンはお医者さん。ルイス・クーはハンサムな経済の人気講師。ジジ・リョンはモデル・女優なのだが年齢のせいで仕事が大変になっている。
冒頭はそれぞれがばらばらに描かれているのだが、しばらくすると関係があることがわかる。予告編にもあるように、誰にも秘密や事情がある。
年をとっていくことの話であり、容姿の話であり、死の話であり、死んだ母に疎まれていたと嘆く娘の話であり、美しくない娘が実の子ではないのではないかと疑う父親の話であり、浮気をしているよき夫の話であり、家族で楽しく食事をしたいだけなのにと嘆く父親の話であり、それでもマクドナルドやビュッフェに集う家族の話であり、発見された不発弾の話であり、陸に打ち上げられたクジラの話であり、陸に上がった漁師は死んだも同然だという話であり、人生の目的地の話である。ちなみに、エンドクレジットで流れるのは黄耀明の「目的地」という曲。劇中に出てくる「All Desitination(すべての目的地)」という道路の看板は銅鑼湾にあるらしいが、帰りのエアポート・エクスプレスから青衣の手前あたりでも見えた。
ポスターや予告編に出てくる香港の街のミニチュアがときどき差し挟まれる。この街は夢にも出てきて、ミリアムが見る夢(予告編に出てくる)が怖い。カメレオンのグリーニーが巨大化するところは「ウルトラQのピーター(怪獣の名前)かよ!」と思いました。もしかして、パン・ホーチョン監督はウルトラシリーズがお好きですか。そういえば、ルイスがスターウォーズマニアというのは本人そのまんまなんだろうか。あのコレクションは私物か?
コレクターショップで出てくるチャッピーが相変わらずいい役だった。ゲスト出演っぽいショーン・ユーもいい役だったね。エリックとっつぁんがあんなに普通の人の役なのは初めて見たような気がする…ということは、いつもは普通じゃない役だったんだな。呉家麗お姉様がすてきだった。あと、冒頭でデレク・クォク監督が出てきて(けっこう台詞がある)「監督、何やってるんですか!」と心で叫んでしまった。
「香港仔」というタイトルは元々一家が住んでいた場所としての香港仔と香港の人々のダブルミーニングなのだろうなあ、と思っていたら、ジョルダーノとのコラボTシャツ(記事はこちら)にこんな文字があって「やっぱり」と思う。
とても好きな映画で、できればもう1回見たかったのだが、優先場は5月2日までで1回しか見られなかった。でも、見られてよかったな。ソフトが出たら買おうと思う。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント