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日本で公開『Chennai Express』(2013)

 こちらで教えていただいたのだが、10月26〜30日に東京のヒューマントラストシネマ渋谷で公開されるとのこと。IFFJの一環なのかな、いいなー東京。全国公開しないかな。
 これは、以前ANAの機内映画で日本語字幕で見た。ANAは必ずインド映画が日本語字幕で見られるのはとても嬉しいのだが、一律2時間にカットされているのよね(パーソナルテレビなんだからノーカットでいいのに…)。それで、重慶マンションでDVDを買ったのだった。そういえば、感想を書いていなかった。

 予告編。

 シャールクはムンバイでお祖父さんのお菓子屋で働いている。英語字幕だと「sweets worker(ヒンディー語だとミターイ・ワーラー?)」だというセリフが繰り返し出てくるので、あまり強くないとか格が上ではないというニュアンスがあるのかも。シャールクは友だちとゴアに行きたいと思っているのだが、このお祖父さんが100歳の誕生日に死んでしまい、遺言で遺灰をゴアの反対側にある川に流しにいくことになる。しかし、シャールクはちゃらんぽらんな奴でゴアはその川に繋がっているのでゴアで流しちゃえとチェンナイ経由でゴアに行くべくチェンナイエクスプレスに乗り、そこで汽車に走って追いつこうとしているディーピカちゃんとその連れを引っ張り上げる。実は、ディーピカちゃんはタミルの出身で、従兄弟と結婚させられそうなのを逃げ出してきたのだが、シャールクは追っ手共々ディーピカちゃんを引っ張り上げてしまったのだった。それがもとで、シャールクもディーピカちゃんの村にいくはめになり、ディーピカちゃんの結婚を阻止するために恋人の振りをさせられることに。しかし、ディーピカちゃんのお父さんも従兄弟も手下も荒っぽいというか地元の暴力組織っぽいというか(南の村ってそういうイメージなんだろか)。シャールクは逃げて親切なお巡りさんにかくまわれて隠れた先がスリランカ行きの密航船だったとか、いろいろなことがあり、やっとのことでディーピカちゃんを連れて逃げ出すのだがしかし…という話である。

 こちらの歌は、英語字幕では「北極から南極」となっていたけど「カシミールからカーニャクマリ」というタイトルの歌。インドの北から南までということだわね。

 バックがお茶畑でお茶摘みの人々が踊っている。
 南っぽいというのはわざとで、なにせエンドタイトルがこれで大フィーチャリング・ラジニカントだし、『ムトゥ』の「丸められたラブレターが回り回って大騒ぎ」というネタが使われていたりして、タミル映画を明らかに意識している。

 ディーピカちゃんの村は怖いが、逃げた先の村はいい村だ。南の方は、暴力的だというのと、いいところだというのと両方のイメージなのかとも思う。

 南を舞台にしたヒンディー映画は色がきれいだなあ。
 シャールクの振付が90年代っぽい。
 90年代っぽいというのも明らかにわざとで、冒頭の汽車のシーンはDDLJ(『Dilwale Dulhania Le Jayenge』)そっくりそのまんまで、引き続きヒンディー語が分からない手下の前で映画の歌を替え歌にしてディーピカちゃんと意思疎通を図るところでは、歌もDDLJだったり。最近の歌も出てくるけど。
 替え歌のネタは後でも出てくるし、90年代は劇中に映画の歌が出てくるのがけっこうあったと聞いているので、これも意識してやっているのかもしれない。
 出だしの印象もあって見ていると思い出すのはDDLJで、どちらの映画でもシャールクはちゃらんぽらんなのだが、DDLJはカージョルの父アムリシュ・プーリ(世界一怖い顔の俳優と言っても過言ではない。でも好き)からカージョルを得るために途中からぐんと成長するけど、この映画では成長の過程がちょっと見えづらい。実はDDLJを見直したのだが、この映画、DDLJのリメイクではないかと思うぐらい構造が似ている。
 DDLJは20年前の映画で、何が変わったといって、90年代のヒンディー映画は歌のシーンは決まってヨーロッパだったけど、この映画は南インドがフィーチャーされていること。むかしは、ヒンディー映画はヒンディー映画、タミル映画はタミル映画で分かれていたけど、インドでの国の内外の見方が変わったということなのだろうか。
  「この50年…」「50?俺がそんな年に見えるわけ?」「あらそれ以上なの?」というようなやりとりがあったけど、シャールクって四捨五入すると50歳で、ディーピカちゃんとは年が倍近く違うと『Om Shanti Om』のインタビューで言っていた気がする。20年以上スターを続けていて同じような役柄をやっちゃうシャールクはすごいなあ。

 日本全国で公開してくださると、とても嬉しいのだが。

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