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2014年9月

Occupy Central 占領中環

 こちらの続きになるか。
 まだ事態は進行中で予断を許さないのだが、記録のために。
 「Occupy Central 占領中環」が始まってしまった。

 りんご新聞がこちらの特設ページで生中継中。これとツイッターの#occupycentralを午後からずっと見ている。youtubeのライブはこちら(6万人が視聴中)。
 金鐘の香港特別行政区政府総部の前に人々が集まっていて、前の広場に入れないよう警察が封鎖していたのだが、歩道に集まっていた人々が現在は車道いっぱいに広がり、ものすごい数である。りんご新聞によると、コンノートロード、クイーンズロード、金鐘道、告士打道などは通れないらしく、バスも全部止まっているとのこと。地下鉄も金鐘は停まらなくなっているらしい。
 市民は丸腰で両手を上げているのだが、警官は催涙弾を少なくとも10発以上撃った。「警察も香港人だろう」という書き込みがどこかであり、警官も香港人として辛いだろうと思う。「退去しないと発砲する」という警告看板もあったのだが、それは間違いらしい。現在は大群衆と警察がにらみ合っている。
 しかし、香港政府が金鐘・中環の通信(インターネット含む)を遮断するという情報があったり(今のところ新聞の中継は続いているので遮断はされていない模様)、人民解放軍の武装車が粉嶺から向かっているという情報があったり、事態は予断を許さない。
 報道機関が香港に支局をおいていないこともあって、日本の報道は遅れていて、ツイッターを見ていると古い情報がリツイートされていたりもするので、正確に情報が伝わっているといえないところもある。デマってこういうふうに広がるのか…とも思う。
 學民思潮の黄之峰くんが警察に拘束されているのは不当という判断がされて裁判所が即刻釈放を命じた(追記:釈放された0という明るめのニュースもあるのだが。
 台湾でも応援の座り込みが始まっているとのことなので、北京政府が黙っているとは考えにくい。
 すでに100人以上がけがをしているらしいのだが、どうかどうか、少しでも傷つく人が少なくてすみますように。香港の明日が明るいものでありますように。
 祈念明天會更好。香港加油!保重。

【2014年9月29日追記】
 人々は銅鑼湾や旺角に分散したらしい。

 学生たちについてのりんご動新聞。泣いた。

 我全面支持香港人。小心。保重。香港加油!

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日本で公開『Chennai Express』(2013)

 こちらで教えていただいたのだが、10月26〜30日に東京のヒューマントラストシネマ渋谷で公開されるとのこと。IFFJの一環なのかな、いいなー東京。全国公開しないかな。
 これは、以前ANAの機内映画で日本語字幕で見た。ANAは必ずインド映画が日本語字幕で見られるのはとても嬉しいのだが、一律2時間にカットされているのよね(パーソナルテレビなんだからノーカットでいいのに…)。それで、重慶マンションでDVDを買ったのだった。そういえば、感想を書いていなかった。

 予告編。

 シャールクはムンバイでお祖父さんのお菓子屋で働いている。英語字幕だと「sweets worker(ヒンディー語だとミターイ・ワーラー?)」だというセリフが繰り返し出てくるので、あまり強くないとか格が上ではないというニュアンスがあるのかも。シャールクは友だちとゴアに行きたいと思っているのだが、このお祖父さんが100歳の誕生日に死んでしまい、遺言で遺灰をゴアの反対側にある川に流しにいくことになる。しかし、シャールクはちゃらんぽらんな奴でゴアはその川に繋がっているのでゴアで流しちゃえとチェンナイ経由でゴアに行くべくチェンナイエクスプレスに乗り、そこで汽車に走って追いつこうとしているディーピカちゃんとその連れを引っ張り上げる。実は、ディーピカちゃんはタミルの出身で、従兄弟と結婚させられそうなのを逃げ出してきたのだが、シャールクは追っ手共々ディーピカちゃんを引っ張り上げてしまったのだった。それがもとで、シャールクもディーピカちゃんの村にいくはめになり、ディーピカちゃんの結婚を阻止するために恋人の振りをさせられることに。しかし、ディーピカちゃんのお父さんも従兄弟も手下も荒っぽいというか地元の暴力組織っぽいというか(南の村ってそういうイメージなんだろか)。シャールクは逃げて親切なお巡りさんにかくまわれて隠れた先がスリランカ行きの密航船だったとか、いろいろなことがあり、やっとのことでディーピカちゃんを連れて逃げ出すのだがしかし…という話である。

 こちらの歌は、英語字幕では「北極から南極」となっていたけど「カシミールからカーニャクマリ」というタイトルの歌。インドの北から南までということだわね。

 バックがお茶畑でお茶摘みの人々が踊っている。
 南っぽいというのはわざとで、なにせエンドタイトルがこれで大フィーチャリング・ラジニカントだし、『ムトゥ』の「丸められたラブレターが回り回って大騒ぎ」というネタが使われていたりして、タミル映画を明らかに意識している。

 ディーピカちゃんの村は怖いが、逃げた先の村はいい村だ。南の方は、暴力的だというのと、いいところだというのと両方のイメージなのかとも思う。

 南を舞台にしたヒンディー映画は色がきれいだなあ。
 シャールクの振付が90年代っぽい。
 90年代っぽいというのも明らかにわざとで、冒頭の汽車のシーンはDDLJ(『Dilwale Dulhania Le Jayenge』)そっくりそのまんまで、引き続きヒンディー語が分からない手下の前で映画の歌を替え歌にしてディーピカちゃんと意思疎通を図るところでは、歌もDDLJだったり。最近の歌も出てくるけど。
 替え歌のネタは後でも出てくるし、90年代は劇中に映画の歌が出てくるのがけっこうあったと聞いているので、これも意識してやっているのかもしれない。
 出だしの印象もあって見ていると思い出すのはDDLJで、どちらの映画でもシャールクはちゃらんぽらんなのだが、DDLJはカージョルの父アムリシュ・プーリ(世界一怖い顔の俳優と言っても過言ではない。でも好き)からカージョルを得るために途中からぐんと成長するけど、この映画では成長の過程がちょっと見えづらい。実はDDLJを見直したのだが、この映画、DDLJのリメイクではないかと思うぐらい構造が似ている。
 DDLJは20年前の映画で、何が変わったといって、90年代のヒンディー映画は歌のシーンは決まってヨーロッパだったけど、この映画は南インドがフィーチャーされていること。むかしは、ヒンディー映画はヒンディー映画、タミル映画はタミル映画で分かれていたけど、インドでの国の内外の見方が変わったということなのだろうか。
  「この50年…」「50?俺がそんな年に見えるわけ?」「あらそれ以上なの?」というようなやりとりがあったけど、シャールクって四捨五入すると50歳で、ディーピカちゃんとは年が倍近く違うと『Om Shanti Om』のインタビューで言っていた気がする。20年以上スターを続けていて同じような役柄をやっちゃうシャールクはすごいなあ。

 日本全国で公開してくださると、とても嬉しいのだが。

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豪華娯楽大作『Goliyon Ki Raasleela Ram-leela』(2013)

 これも日本公開してほしい。
 「ロミオとジュリエット」の翻案なのだが、インドの翻案ものはオリジナルよりおもしろいと相場が決まっている。絢爛豪華なインド映画である…と思ったら、監督は『Devdas』の人だった。
 主役はジュリエットがディーピカちゃんでロミオがランヴィール・シン。

 予告編。

 舞台はインド北部の架空の街。ふたつの家が対立している。ランヴィールは明るい人で対立は望んでいないのだが、ディーピカちゃんの家の家長であるお母さんが強烈な人で。2人は恋に落ちるのであるが、ランヴィールのお兄さん(見たことあると思ったら大復讐映画『Rakht Charitra』の極悪キャラであるレディー・ブッカーを演じたアビマンユ・シンだ)がディーピカちゃんの兄に殺され、ランヴィールはディーピカちゃんの兄を殺す。それでも2人は駆け落ちするのだが、ディーピカちゃんは連れ戻され、お母さんの代理で一族を仕切ることになり、家長代行として敵の家の家長となったランヴィールと対面するのであった。

 何が豪華といって、豪華歌舞音曲シーンがふんだんにある。
 2014年フィルムフェアアワード振付賞。

 こちらは、文字通りご婦人が倒れる。
 『Lootera』じゃランヴィール・シンがこんな人だとは思ってなかった。

 超豪華アイテムガール、プリヤンカ・チョープラー様。

 ストーリーは、まあ「ロミオとジュリエット」なので展開は予測できるのだが、こちらのほうが絶対面白いと思う。
 大きいスクリーンで見たいなあ。
 関係者の皆さま、これも日本公開いかがでしょうか。

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最も日本公開してほしいインド映画は『Life in a Metro』(2007)である

 札幌では『The Lunchbox(めぐり逢わせのお弁当)』がたぶん今週いっぱい、『English Vinglish(マダム・イン・ニューヨーク)』が1日1回で続映中。10月には『Barfi ! (バルフィ!人生に唄えば)』が公開される。シアターキノさん、いつもありがとうございます。

 今年もインド映画が札幌ですら5本、東京ではもっと公開されていて(『Dabangg(ダバング大胆不敵)』は札幌にとうとう来ないのか…)、おそらく、次に何を公開するか、ということになっているのではないかと思う。
 ヒットしている状況を考えると、どちらかというと、ばりばりのマサラ映画よりも、『The Lunchbox(めぐり逢わせのお弁当)』や『English Vinglish(マダム・イン・ニューヨーク)』のような、文化を越えて心温まる路線のほうがニーズがありそうな気がする。
 そこで、今、心の底からお薦めしたいのが、

 『Life in a Metro』(2007)。

 2009年に一度こちらで記事を書いているのだが、この機会に改めてご推薦。

 この映画、監督もキャストもいいんです。

 監督が『Barfi ! (バルフィ!人生に唄えば)』のアヌラーグ・バス。
 主要キャストは、シェルパ・シェッティー(『Om Shanti Om』の「Deewangi Deewangi」のピンクのサリーの美女)、嫌な役をやらせたら右に出る者なし(でも嫌いじゃない)『ABCD』 出演のケイケイ・メノン、『3 idiots(きっと、うまくいく)』のラジュー役シャルマン・ジョシー、『Queen』の主演カングナ・ラーナウト、インド映画史上最大のヒット作(知り合いのインド人によると「見たことのないインド人はいない」そうだ)『Sholey』筆頭主演のダルメンドラ(サニー・デオルとボビー・デオルのお父さんでもある)、『Mr. and Mrs. Iyer』ほか出演作多数の演技派コンコナ・センシャルマー、そして、『The Lunchbox(めぐり逢わせのお弁当)』主演のうちのイルファン・カーン

 予告編。

 6組のカップルの群像劇。舞台はムンバイ。
 シェルパ・シェッティーとケイケイ・メノンは表面上は理想の夫婦を演じているがうまくいっていない。ケイケイ・メノンはカングナと不倫中。シャルマン・ジョシーはケイケイ・メノンの部下で、叔父から借りているマンションを上司の情事に貸し出して便宜をはかり昇進するのだが実はカングナが好き。カングナはコンコナ(シェルパ・シェッティーの妹)のルームメイト、コンコナはネットのお見合いサイトで知り合ったイルファンと最悪の出会いをするのだが一緒に働くことになり、ダルメンドラは昔の恋人であるナフィーサ・アリ(シェルパ・シェッティーの踊りの師匠)ともう一度やり直そうとしている。そして、シェルパ・シェッティーは演劇青年シャイニー・アフージャと恋に落ちる。
 すなわち、シェルパ・シェッティーを中心に、夫婦、不倫、若者、あまり若くない人、若くなくなった人、片思い、婚活などなど、いろいろな愛の形が描かれているのである。
 たとえば、『The Lunchbox(めぐり逢わせのお弁当)』でムンバイの普通の生活に興味を持った方には、また別の面からムンバイの普通の人々の生活が見られるし、インドだけではない、どこの国にもあるようないろいろな愛の形が描かれているという点では普遍性もあるので、面白く見てもらえると思う。監督がアヌラーグ・バスなので、描き方が暖かい。

 音楽は、パクリ!と言われることもあるけどインドで賞を獲りまくっているプリータム。この映画は、ダンスシーンはないのだが、要所要所でどこからともなくバンドが現れて歌いストーリーを進めるというユニークな音楽の使い方をしている。

 ギターを弾いている太め長髪髭面眼鏡がプリータム本人。
 この映画は音楽もほんとによくて、サントラを買いました。

 おそらく中心になるのは、シェルパ・シェッティーとシャイニー・アフージャのパートだと思うのだが、実はシャイニー・アフージャが苦手で(この人は後に事件を起こして映画界から消えたのであるが)このカップルにはあまり感情移入できず。しかし、他のパートはいいのである。もう後悔したくないダルメンドラたちは結婚していないので世間の風当たりが強く、カングナとシャルマン・ジョシーには何とか幸せになってほしいと思い、ケイケイ・メノンそこで泣くか!しかしシェルパ・シェッティーはどうして対応がそうなるか、などと思う。
 そして、なんといってもコンコナとイルファンのパートが最高。

 これはUTVの公式動画で、なぜか(たぶん『The Lunchbox』がらみだと思う)公開後7年経った今年に入ってから続々と公式動画がアップされているのであるが、UTVはこのシーンのことを「Funny clip」と言っている。
 でも、ぜんぜんFunnyではありません。このシーンと直前のお買い物のシーンは大好きなのだが、終盤イルファンが白馬にうちまたがってムンバイの街を爆走しムンバイ駅に乱入するシークエンスは愛しているといっても過言ではない。
 イルファンとコンコナはこの役でフィルムフェアアワードを受賞しました。
 イルファン、こういう役も似合うのに、なかなかないのよね。

 実は、この映画は個人的インド映画オールタイムベストなんである。
 が、それを抜きにしても、とてもとてもよい映画なので、どのインド映画を公開しようかとお考え中の関係者の皆さんには、是非とも!日本公開を検討していただきたいと心からお願い申し上げる次第です。

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ナワーズ祭りその2『Kahaani(女神は二度微笑む)』(2012)

 間が空いたのだが、『The Lunchbox(めぐり逢わせのお弁当)』札幌公開記念、ナワーズ祭りその2。当初は、ヴィディヤ(好き)主演なのでDVDを買ってあった。

 予告編。

 最初ぼーっと見ていたのだが、最後にびっくりして最初から見直した。
 冒頭、地下鉄の中で一般人を巻き込んだテロ事件が起こる。あれは日本の地下鉄サリン事件が元になっているのだろうか。
 その後、コルカタに一人の妊婦がやってくる。彼女は行方不明になった夫を捜してやってきたのであった。空港からまっすぐ警察に乗り付けて、彼女は夫を捜し始める。
 警察に乗り付ければ、タクシーにぼられないよなあ、とか、そうか妊婦さんには親切なのか、ということがわかる。人の良さそうな警察署長も親切だが、特にラニという新人警官はとっても好意的だ。
 ヴィディヤはシステムエンジニアということで、ラニが手こずっていたパソコンの問題を解決するのだが、部外者に触らせてもいいのか、警察のパソコン。
 そうこうするうちに、 夫の行方不明がただごとではなくなってくる。政府機関にいる男がそっくりだというのだが、その情報提供者が殺されてしまう。
 それで登場するのが情報機関のカーンこと、ナワーズなのであった。

 Nawazuddin Siddiqui best scenes "Kahaani"という動画が上がっている。

 あら素敵。

 タイトルの「Kahaani」は「物語」「お話」という意味なのであるが、最後まで見ると、その意味がよく分かり、見直したくなるのであった。
 ヴィディヤもナワーズもうまいわあ。ヴィディヤはフィルム・フェアの主演女優賞ほかたくさん賞を獲ったし、ナワーズもいろいろな賞を受賞した。この映画、フィルム・フェアでは監督賞その他も獲っているのだが、なんとこの曲で大アミターブ・バッチャンがプレイバックシンガー賞を受賞している。

 ナワーズにおうちでインタビューという動画があった。

【2015年4月追記】
 なんと、『女神は二度微笑む』の邦題で日本公開されました!
 公式サイトはこちら
【さらに追記】
 札幌でも劇場公開されました!記事はこちらに。

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『The Lunchbox(めぐり逢わせのお弁当)』何度目か

 ご無沙汰しております。毎日なにかと大変です。
 あと1週間で終わってしまいそうなので、うちのイルファン・カーンとおデートするために映画館に走って行った。
 この映画については、DVDで観たとき、香港で観たとき、日本公開が決定したとき、「あさイチ」で紹介されたとき、ついに札幌で公開されたとき、と散々書いてきたのだが、DVDもかなりの頻度で見ているのだが。
  スクリーンで!
  日本語字幕で!
  札幌で!
 うちのイルファン主演のインド映画が観られるとはなんと幸せなことであろうか。しかも観れば観るほど好きになるいい映画だ。

 冒頭のムンバイの景色とダッバーワーラーのおっちゃん達とインドの普通の生活をしみじみと眺め、イルファンが出てきたところで、空いているのをいいことに力いっぱい手を振り、特に前半は思いっきりにこにこしながら見てしまう。
 たとえば、

 すでに二度目のお弁当で密かにわくわくしているイルファン
 仕事の机でお弁当の匂いを嗅いで隣のおっちゃんに訝しがられるイルファン
 手紙を読んで天井のファンを見上げてしまうイルファン
 禁煙しようとして、ばたばたするイルファン
 お弁当を食べようとしているところにナワーズが来て、あちゃー!という顔になってしまうイルファン、
 ナワーズがいて手紙が読めなかったので仕事の書類を読むふりをして手紙を読むイルファン(中学生か!)
 隣のおっちゃんが盛大に訝しがっているのも構わず、デスクで空のお弁当箱を広げるイルファン
 鳴りわたっていた「サージャン」の音楽が、食堂の向かいの席にナワーズが座ったとたんに切れるところ(ということはあの曲はイルファンの心の中で鳴っていたのだな)

 などなど、萌え死にしそうである。

 そして、「間違った電車に乗っても…」が最初に出てくる電車の中でなぜか涙が出る。
 茄子が大好きで、茄子の料理(とても美味そう)を見て最初はとても嬉しそうだったのに、イラの手紙を読んで残してしまう(たぶん残してしまうのはこれ1回だと思う)!ところと、一言だけ書かれた手紙。
 朝までビデオを見てしまうところと隣の女の子に手を振るところは毎回泣いてしまう。

 なぜ泣いてしまうかというと、35年間ひとつのミスも犯さず働いてきて、でも周りからはいろいろと言われていて、奥さんも世を去り本当に孤独で、その心の底にあったものがイラやシェイクと関わっていくことで浮かび上がり、孤独じゃなくなっていったことがよく見えるからだと思う。

 アメリカ版予告編。好きだわあ、これ。

 この予告編にも入っているレストランのシーン、固唾を飲むかはらはらしている観客が多いとは思うのだが、「いいじゃないの、イルファンなら!」「いいじゃないの!素敵なんだから!」と心の中で叫びっぱなしである。
 あと、電車の中で風に吹かれているところは見とれてしまう。
 イルファンもナワーズも実はとっても強面なのにこんな役なのが本当によいと思う。惚れ惚れ。
 たぶん、ナワーズは陰でいい働きをしていると思うんだよね。連絡先も知っているし写真も持っているし。
 考えてみると、この映画は直接的なセリフや描写があまりない。そのことも映画に奥行きを与えていると思う。

 母子心中のニュースを聞いて「金の装身具は外したのだろうか」とイラが思うシーンは想像なのだが、最後のイラのショットでは装身具が一切ない。

 ほんとに、みんな幸せになっていてほしいと思う。

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『トランスフォーマー/ロストエイジ』は香港が舞台ではあるのだが

 ごぶさたしていました。いやー大変な1週間だった。
 香港をスクリーンで見たかったので行ったのだが。

   長かった…。
 
 167分で、インド映画とあまり変わらないのだが、長かった。

 まあ、こういうところがすごいらしいのだが。
 なぜ長く感じられたかというと、

 ・もともとトランスフォーマーにはそれほど興味がない
 ・香港目当てで見た
 ・インド映画や香港映画の文法に慣れすぎた

 ということがあったのだと思う。

 ストーリーは、トランスフォーマーがすっかり敵扱いされている世界で、マーク・ウォルバーグ演じる発明家兼修理屋のところに変わり果てたオプティマスプライムが拾われ、オートボットとトランスフォーマーを自分たちで作ろうとする人間に作られたものが最終的に香港で戦うというもの(たぶん)。
 でも、結局見せたいのは、トランスフォーマーの変形とかCGとか格闘シーンで、人間は付け足しの設定に感じられて、誰にも感情移入できず、ストーリーもこれでなくてもいいんじゃね…と思ってしまったのだった。
 もちろん「テキサスから香港にどうやって行くんだよ」と思いながら見ていたので、ストーリーが頭に入ってこなかったこちらの責任もある。
 でも、インド映画や香港映画は、もうちょっと特撮以外で盛り上げる工夫をすると思うんだよなあ。人物の造形が紋切り型過ぎてつまらないんだもん。
 自分はSF映画を愛するものなので、もちろんあの手の映画は嫌いではないのだが、特撮だけではなく、ちゃんと「映画」も見たいのだ。
 しかも、よりによって主人公の名字が「イェーガー」だったので、どうしてもどうしても『パシフィック・リム』を思い出してしまったのも敗因だったと思う。あれも香港戦だし。
 香港のシーンは、もっぱら香港島側が舞台だと思うのだが、ここはどこ?湾仔?この団地どこ?と前面で戦うトランスフォーマーそっちのけで背景を見てしまったのだった。中国銀行の「海老ビル」の使い方や、例によって壊されるエキシビジョンセンターはよかったと思う。
 あと、あのつるんとしたおっさんが飲むべきなのは、大陸のミルク系飲料ではなく、香港ならビタソイだと思います(対中国向けのタイアップらしいけど)。

 今後は背景目当てで観に行くのはやめようと反省しました。

 香港プレミアの模様とのこと。そりゃ盛り上がるわね。

 これが167分でノーカットなら、インド映画はノーカット公開でいいと思う。

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『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』

 下書きしたのを投稿し忘れそうなので。

 休日出勤の後、翌日は代休なのをいいことに観に行った。
 取材申し込みをしてから16年後に返事が来て、準備2年、撮影6か月(監督が一人で修道院に泊まり込み)、編集に2年という労作である。

 予告編を見て行きたくなった。

 音楽なし、ナレーションなし、照明なしで2時間49分。
 気持ちよく撃沈したお客様の寝息が聞こえた。かわいそうだったのは一家4人で来ていた小学生の息子さんで、静かにしていたのは偉かったのだが、もぞもぞして辛そうだった(なんでよりによって子供連れでこの映画に?)。
 実をいうと時々数分間沈没したけど、おもしろかった。
 カトリックの学校に行っていたので修道会には普通の人よりなじみがあるのだが、どちらかというと禅寺のよう。
 日課がきっちり決まっていて、作務のような日々の労働(薪割りとか鐘を鳴らすとか)もあるのだが、ほとんど自分の個室にいて、祈ったり(1日7回)「霊的読書」をしたり。御聖堂に集まるのは1日3回。辛そうなのは睡眠時間で、日課は、23:30に起床して0:15から3:00まで朝の祈りに出て3:15に再び就寝、6:30に起きてお祈りして霊的読書して8時からミサ、その後は読書・祈り・労働・学習が続き、就寝は19:30。食事は12:00に昼食、17:00に軽い夕食、自由時間は昼食後のお祈りのあと1時間ぐらいか。
 スリランカやミャンマーの瞑想道場には行ってみたいけど、これは厳しい。
 音楽は御聖堂に集まるときの聖歌だけなのだが、これが中世から伝わっているような音楽で、譜面がネウマ譜(四線の楽譜に黒い小さい四角が並んでいる)。ぜんぜん読めない。
 修道会は1084年に設立され、現在の建物は1688年に建てられたとのこと。
 とても大きい建物なのだが、登場する修道士は30名弱で、御聖堂や新人が入ってくる儀式や食事もその人数なので、小さい単位になっているのかも。
 カメラは何人かの修道士、特に入ったばかりのアフリカ人の修道士の居室での様子が多い。だいたいお祈りして読書していることが多いのだが、小さい電子鍵盤を使って歌の練習をしたりもしている。部屋は木で造られていて、だるまストーブとルンペンストーブの間のような懐かしい煙突付きのもの。冬は寒いんだろうなあ。
 食事は居室のドアの横に小さい扉があって、そこから配られる(ちょっと刑務所みたい)。三段重ねの金属の器に入った何かと、お皿に盛った果物とビスケット(クラッカー?)とパン。その料理をアップで映して!と思ったのだが、よくわからなかった。たぶん野菜のスープか煮込みみたいなもの。
 料理は専門の修道士が担当のようで、庭で野菜を作ったり用水路の整備をしたり、とっても働き者。服を作る人と床屋(全員電気バリカンで丸刈り)も専門の修道士がいる。パンフレットによると、服を作る人は端切れもボタンも何一つ捨てないのだそうだ。
 ほとんど自給自足らしいのだが、コンピュータを使って郵便物処理の仕事をしている人もいるし、電気も多少は使っているし、果物などは買っていそうなので、多少はお金も使っていると思う。
 原則として話はしないのだが、シトー会やトラピスト会のように完全な沈黙というわけではなく、日曜日は集まって食事をして、午後は会話をしてもよく、外に出ることも推奨されている。冬、山の斜面で滑りっこ(靴や服のまま滑り/転がり降りる)に興じるみなさんが可愛らしい。
 しかし、何と言ってもツボにはまったのは、

  猫に対しては話しかけてもよい!こと。

 やりとりは控えの間にあるメッセージ箱を通じて行い、仕事に関することは話してもいいらしいのだが、猫対応は仕事か!たぶん牛小屋じゃないかと思うのだが、白黒ぶちとかパステル三毛とか普通の猫がたくさんいるのである。シャルトリューズって、猫やお酒の種類であるんだけどね。
 ナレーションは入らないのだが、ときどき、文字で言葉が入る。
 時折、修道士の顔が一人ずつ映されるのだが、最後に出てくる盲目の修道士さんが何ともいえず味わいがある。この人の言うことも禅のよう。
 最初は何をしているかわからないことも、映画が終わるころには、最初に出てきた冬の風景がリプライズされて、わかるのだった。
 日々の何気ないことがいかに刺激的か、自分たちの日々の生活がいかに刺激がありすぎるというか余計なものが多すぎることか。

 公式サイトはこちら
 修道会はウェブサイトを持っているとのこと。たぶん、これ。映画の画像が活用されているように見えるのだけれど。
 動画もある(こちらなど)。

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香港加油!2014年9月

 朝から、これを見てごうごう泣いてしまった。

 こちらのりえさんの記事の後半にもあるのだが、北京政府は、2017年の特首選挙で立候補できるのは中央政府に与する者のみとし、民主派が立候補できないことをほぼ決定したのである。

 流れている歌はこれだ。

 動画は四川大地震のときに香港演藝人協会がチャリティで作った曲のもの(こちらの記事参照)。ビヨンドの曲に劉徳華が歌詞をつけた。昨日流れていたのは元の曲のこれ
 この動画はロングバージョンもあって、四川の地震の様子も出てくるのだが、これを見てもわかるように、香港の芸能人は大陸中国のために一致団結してチャリティを行ったわけです。これぞ香港精神。
 大陸中国は香港のために何をした?
 今回の北京政府の決定は、香港精神を殺そうとするものである。
 現在の一国二制度制は、それが(中央政府はともかくとして)大陸の人々にとっても望ましいことであるのは、香港に押し寄せる人々の波を見ても明らか。
 このまま香港が大陸中国と同化してしまったら、それは中国にとっても大きなかけがえのない宝を失ってしまうことになるだろう。
 私は香港を愛している。だから、香港民主を心から支持する。そして、(既にいろいろとまずいことはあるにしても)香港が大陸中国とは別のものとしてあり続け、このまま永く続くことを、普通の香港の人々が幸せに暮らしていけることを強く強く願う。

 それにしても、本日のりんご新聞のトップ動画ときたら。

 一つ目の動画の前の動新聞なのだが、内容の深刻さと記事のテイストのギャップがものすごい。さりげなく「香港人心の特首候補」華仔がインサートされているし。さすが蘋果というべきか。中央政府に真っ先に目をつけられること間違いないのに。偉いぞ蘋果日報!
 蘋果日報は「オキュパイ・セントラル(占領中環)」の専用ページを設置している。Occupy Central with Love and Peace 。
 まだ希望があることを、誰も傷ついたりしないことを、これからの香港の幸せを心から心から願っている。

 りえさんのところからお借りした動画をもうひとつ。
 7月1日の大遊行の定点観測動画。51万人が参加したそうです。自分たちの街を自分たちで守るために。あと、こちらも。りえさんのこの記事も。

 希望明天會更好。
 加油!香港!!

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