白宮冰室を惜しむ
こちらの続き。
「白宮冰室 結業」でニュースを検索したところ、次のような記事が見つかった。東方日報の記事である。
記事の最後の方に
土瓜灣老街坊們,都有共同的集體回憶地,包括充滿懷舊風情的涼茶舖一豪商店、茶餐廳白宮冰室,可惜隨時代變遷,這兩店已先後結業(白宮冰室才剛於新春後結業)
とあった。
旧正月が終わってすぐ店を閉めたらしい。
新聞記事は今のところこれひとつだけで、牛下(くわしくはこちらのカテゴリーを)のような華々しさはない。前の記事で引用した掲示板のタイトルも「土瓜灣白宮冰室無聲結業」だったし、ほんとうに黙って店を閉めたのだと思われる。
たとえば、湾仔の檀島は「月滿軒尼詩」のロケをしたことを大々的にPRしていたけれど、白宮は映画のロケがたくさんあったのに、そんなこと一つも言ってなかった。世の中には声高に自分を見せる人とそうではない人がいるけれど、白宮冰室の人々は後者であったのだと思う。
そんなところがとても好きだった。
映画のロケをしたから、とか、有名だから、とかではなく、香港で一番好きな場所の一つだったと思う。もし何も知らないで入ったとしても、ぜったい好きになっていたと思う。香港の、声高ではない、むかしから人々が地道に暮らしている普通の街の風情がとてもとても好きだ。
ファイルを見てみたら、去年の5月に行ったときに、ずいぶん写真をとっていた。土瓜湾に泊まって3日間通ったっけ。

あのときは建物が工事中だったのだなあ。

入り口も窓も開け放しの風通しのよさが好きだった。

いつものメニュー。
早餐のAセットに波羅油をつける。

こんな写真撮ってたんだなあ。

早餐を食べていたら、テレビで臨時ニュースが入った。ビンラディン死亡のニュースだった。帳場のおっちゃんも含めて、その場の全員がテレビにくぎ付けになったことが忘れられない。

この部屋に座れることも、もうないのだな。
白宮冰室の動画をもうひとつ。
帳場やウェイターのおっちゃんが見られる。
あの空気は、ずっと忘れない。
白宮冰室のみなさんありがとう。
店を閉めたあとの幸多からんことを心から祈ります。
上に引用した東方日報の記事によると、土瓜湾ではいろいろ芸術的な催し物が開かれているらしい。電影文化中心というものができて、月に一度の土曜日に屋上を開放したりもしているらしい。何かあれば一度行ってみたい。

土瓜湾は、ぜんぜん華やかではないけれども、普通の人々が長いこと普通に暮らしてきた街だ。前の記事で引用した掲示板の記事「開業逾半世紀 土瓜灣白宮冰室無聲結業」によると、「消息透露,田生集團應業主要求,計劃收購土瓜灣5街共5幢舊樓,分別為馬頭角道91至113號、明倫街1至25號、2至28號及2A至28A號、忠信街1至15及2至16號、興賢街1至15號及2至16號,以及興仁街1至31號,該批舊樓毗鄰翔龍灣,住宅單位共約700伙,而屬住宅契的地舖約100個,整個地盤面積約6萬方呎,若以地積比率5倍計算,重建後樓面約30萬方呎」とのことで、かなり広範囲の地域が不動産屋に買われている気配。
望むらくは、できるかぎり、自分の好きな香港が残っていてほしいと思う。不動産業者や一部のお金持ちのためのお商売の街になったら、香港のよさは失われてしまうと思うから。
【追記】
openriceの記事に「已結業」の文字が。
悲しくて涙出た。
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